突然ですが不動産にまつわるクイズです(#^.^#)
宅地建物取引業者が20年以上前に本件土地上に建っていた建物で自殺事故があったらしいとの認識があった場合買主に説明義務はあるのか?
補足
宅建業者は、本件決済日の数日前に本件事件等を知ったが、既に20年以上も経過しており、建 物も取り壊されていたことから説明義務はないと考え、買主に説明しなかった事案。
正解は.
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宅地建物取引業者の説明義務はあり、買主に対して慰謝料を支払うことになりました。
裁判所の判例ですが「本件土地上で過去に自殺があったとの事実は、本件売買契約を締結するか否かの判断に重要な影響を及ぼす事実であるとともに、締結してしまった売買契約につき、その効力を解除等によって争うか否かの判断に重要な影響を及ぼす事実でもあるといえる。したがって、宅地建物取引業者として本件売買を仲介した被告としては、本件売買契約締結後であっても、このような重要な事実を認識するに至った以上、代金決済や引渡手続が完了してしまう前に、これを売買当事者である原告に説明すべき義務があったといえる(宅地建物取引業法47条1項1号ニ)。」と判断を示し、宅建業者の不法行為責任を認めて慰謝料の支払を命じた。この判例は控訴審、高松高判平26・6・19でも維持されている。
続きまして第2問
所有者Aの土地建物を1500万円で、宅建業者Zが買い取るという形で売買契約を締結しました。
その後 宅建業者Z は同一日に、隣人であるBに1500万円で購入した物件を2100万円で転売しました。
この場合宅建業者Z の行為は正当性があるか否か?
正解は.
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宅建業者Zの行為は正当性がない!!です
裁判所の判断は
合理的根拠を具備しない場合には、宅建業者Zは売買契約による取引ではなく、媒介契約による取引に止めるべき義務がある。
Aにおいて、本件物件の売却について、宅建業者 Z との媒介契約ではなく売買契約により行い、かつ 宅建業者 Z において、本件取引により、本件売買契約における代金額である1500万円の4割にも及ぶ600万円もの差益を得たことについて、その合理性を説明することはできないから、本件売買契約により本件物件を売却したことについての合理的根拠を具備していたものとは認められない。
宅建業者 Zには、合理的根拠が具備されていないにも係らず売買契約である本件取引により本件物件の取引を行った過失が認められるから、所有者Aに対し、損害賠償する義務を負う。
具体的な損害賠償金額は
①売買代金2100万円の媒介報酬の上限額 72万4500円
②媒介契約により得た差益 600万円
Aの損害額:②-①=527万5500円
この判決は、業者の買取転売を全て違法だと判断したものではない。媒介契約によらず売買契約にするには、そうすべき合理的根拠が必要であるとし、この事案はその合理的根拠が認められないので、不法行為を理由として、業者が得た転売利益である600万円から想定媒介報酬額である72万4500円を控除した527万5500円の損害賠償を認めたもの。 宅建業者 Z には、合理的根拠が具備されていないにも係らず売買契約である本件取引により本件物件の取引を行った過失が認められるから、 所有者A に対し、損害賠償する義務を負う。 との判例がありました。
この判例は少し予想外でしたね( ゚Д゚)
このクイズが少しでも読んで頂いた方のお役に立てれば幸いです♪
次回に続くm(__)m